「メタバース」と聞いただけで、意味もなくワクワクしてしまうことはありませんか?
私はワクワクしてしまいます。
ですが。
近頃のデジタル社会は、ワクワクするだけでは何も始まりません。自分から率先して情報を拾いにいかないと、いつまでたっても周囲の景色は変わらないのです。
スマホ片手にヤフーニュースを読みあさり、欲しいものがあればAmazonで購入。いっぱしの情報通を気取ってみても、実際に目にしているのは、あなたの興味に基づいてレコメンドされるニュースや商品、そして広告です。
常に「過去の自分プラスα」の情報しか流れて来ないので、知らず知らずのうちにトレンドに乗り損ねていた……、なんてことは日常茶飯事です。
などと。
私が偉そうなことを思ったのは、わが家にVRヘッドセット(ゴーグル)のMeta Quest2がやって来て、思いもかけず新時代を実感したからです。
ここから本題。
Meta Quest2とはなんぞや?
Meta Quest2とは
Meta Quest2(メタクエスト2)とは、ひと言で言えば3Dの仮想空間を体験できるヘッドセットです。
Meta社(旧Facebook社)が「絶対に来る!」と信じ社運をかけてとり組んでいるメタバース事業の根幹にあるようなシロモノで、FacebookとInstagramの利益をつぎ込んで開発を続けているとも言われています。
で、ですね。
3Dとか、仮想空間と言われると、私の知識としては長いことずーっと「セカンドライフ」のイメージで固定されていたわけです。
「何だかすごそう」とは思っても「でも、結局上手くいかないんじゃないの!?」ってなものです。
Meta Quest2を体験!
それでも新しいものに対する好奇心だけは人一倍なので、さっそくMeta Quest2を体験してみました。
映画館の3D体験みたいなものでしょ。
程度の軽い気持ちです。
ヘッドセットを頭に装着し、手元のコントローラーを動かした瞬間「くらっ」と来る感覚に襲われました。
突然の3D空間の出現に、頭が追いつかず物理的に(肉体的に?)「くらっ」としたのと同時に
これがバーチャルの世界なのか!
という驚きに、めまいを覚えるほどの心理的感覚を味わったのです。
『考えるな、感じろ!』
と誰かが言ってましたが、まさしくそれです。
360度全方位が見渡せて、目の前のものはまるでつかめるかのように立体的で、家にいながらにして旅気分を味わうこともできる……。
などと、様々な言葉でバーチャル世界は説明されて来ましたが、そもそもの問題として、言葉で説明しようとした時点で負けだったんだな、とそのときに悟りました。
Meta Quest2の課題
眼鏡問題(着脱編)
まだまだ発展途上のMeta Quest2なので、細かいところには目をつぶって。加点主義で、加点主義で……。
とは思うのですが、眼鏡族の私にとって、この眼鏡問題はかなり深刻です。
そもそも、眼鏡をつけたままでヘッドセットを装着するという荒技をこなさなくてはなりません。
眼鏡スペーサーという部品が同梱されていたので、これを使用すれば大丈夫?
と思っていたのですが、ヘッドセット本体のレンズと眼鏡レンズが接触しないようにはしてくれるものの、それ以上でもそれ以下でもない感じです(涙)。
仕方がないので
「ひぇ~、眼鏡に傷がつくぅ~!」
という恐怖と戦いながら、毎度、毎度ヘッドセットの着脱を試みています。
ちなみに、Meta Quest2専用の度付き眼鏡レンズというものが発売されていますので、ヘビーユーザーの方はこちらを購入すると幸せになれるかもしれません。
眼鏡問題(視力編)
近視でなおかつ老眼です。
いやですね、ややこしい。
普段の眼鏡は「中近眼鏡」と呼ばれる手元と、少し先が見えるように2種類の度数が組み合わされた眼鏡を使っています。
人というのは、手元を見る時には視線を下に向け、遠くを見るときには視線を上に向けるのだそうです。
その仕組みを利用して、1枚のレンズの上側には遠くを見る時用の度数、下側には近くを見る時用の度数を配置することで、近視も老眼もカバーできるすぐれものってことになってます、一応。
ですが、このすぐれもの眼鏡。
ひとたびMeta Quest2の中に押し込まれてしまうと、今度はどうにも都合が悪いのです。
ゴーグル内が狭いせいで、眼鏡の位置が不自然に上に押し上げられてしまいます。一生懸命に下に調節しようとしても、何かもうこうね、ギュッとしていて無理なんです。
無理だとどうなるか、というと。
眼鏡レンズの2つの度数の境目あたりに目の位置が来てしまいます。
「手元を見る時には下のレンズ、遠くを見る時には上のレンズ」
というあの手法が、ゴーグルの中では見事に崩れ去ってしまって、しかも度数の違うレンズの中央あたりを目線がフラフラするものですから、これがもうとんでもなく見にくい。
しまいには、両手でガバッとMeta Quest2そのものを挟み込んで、これを上下させることで眼鏡をなんとか快適な位置に動かせないかと、そんなことまでしてしまったほどです。
もちろん。
若い人、コンタクトレンズを使っている人ならば、こんな苦労はありません。
でも「老眼でもMeta Quest2を使いたい!」と思う人は、それなりにいると思うんですよね。
で、とりあえず考えついた解決策。
- Meta Quest2用度付き眼鏡レンズを買う
- Meta Quest2用に近視のみの専用格安眼鏡を買う
- 未来のMeta Questにピント調節機能が付くことをひたすら願う
結局、本気で使うなら何らかの追加投資は必要そうです。
乗り物酔い
普通に気持ち悪くなります。
ただ、これに関しては眼鏡の問題もあるので、私の場合は特に症状が出やすいのかもしれません。
あと、不思議なのですが。
手元くらいしか動かしてないはずなのに、3D空間を見終えた後は体に疲労を感じます。
強制的に立体を見せられている状態なので、脳の疲労が激しいのかもしれません。
理想はひとり1台
発展途上のガジェットですし、価格も高いですし、今の段階では一家に一台がやっとでしょう。デスクトップパソコンが家庭に普及し始めた頃の、あの状況に似てますね。
ですが、パソコンと違いMeta Quest2は、個々人に合わせた調整をしていかないと快適な3D体験ができません。
家族で使い回すというのは、経済的ではありますが、効率的ではありません。
頭部のゴム製ストラップ
まずはヘッドセットそのものについている頭部を固定するためのゴム製ストラップ。
当然ですが、頭の大きさは人それぞれなので、フィット感を高めるためには自分サイズに調整したいところです。
瞳孔間距離
また、見え方の問題として「瞳孔間距離」というものもあります。
この瞳孔間距離は人によって異なるそうで、一般の眼鏡を作る時にもこの数値は測定されているのだそうです。Meta Quest2でも、本体で3段階の調整ができるようになっています。
この瞳孔間距離の設定に関しても、複数の人で使う場合にはネックになります。
専用眼鏡レンズ
視力の悪い人にとっては、いずれは専用眼鏡レンズも考えたいところですよね。
ですが、専用レンズをMeta Quest2に装着するとなると、これは完全にひとり1台の世界です。
瞳孔間距離は、何とか勢いで乗り越えられそうな気もしますが、レンズばかりはどうにもなりません。
結論:それでも楽しい
使い始めた当初は、メガネの煩わしさ、乗り物酔いをしたかのような気持ち悪さ、そして想像以上の疲労感に、
こ、これは無駄な買い物だったか!?
と軽い焦りを覚えたのですが、心配は無用でした。
結論から言えば慣れます。
私自身、そんなに若くもないので
「ひょっとしてある程度以上の年齢になると、脳の処理速度が追いつかないとか、ある?」
なんてことを思いもしたのですが、そんなことは全くありませんでした。
慣れる&酔わないコンテンツを選ぶ
このふたつを実行すれば大丈夫です。
慣れるというのは、文字通り何回もVRゴーグルを使って、その装着感や使い心地になれることです。最初のうちは上手く装着できなくて違和感ありまくりなんですが、そのうちピタッ!と来るポイントに出会えます。
コンテンツは、内容によって酔いやすい、酔いにくいが確実にあります。公式オンラインショップのソフトには、視点移動が「多い」「少ない」の記載がありますから、まずは「少ない」から入るのをオススメします。
最初のうちは、何をすればいいのかわからなくて、世界の景色を堪能できるソフトをチョイスしたんですが、景色を見るってことは、どうやら視点があっちこっちに移動するってことだったようで、ものすご~く気持ち悪くなりました(~_~;)
その後、VRの卓球ゲームをやったのですが、こちらは全く問題なし。
高速で飛んで来るボールを目で追うのだから、視点移動だらけでしょ、と思っていたんですが、ボールは動いても自分自身は卓球台の前からあまり動かないせいか、気持ち悪くるなることはありませんでした。
意外と、ゲーム系よりも景色を眺める系のほうが辛いかもしれません。
そんなこんなで。
上手く使いこなすコツを習得していけば、確実に今までとは違う新しい世界に出会うことができます。
日頃、紙工作という運動とは無縁の作業に没頭していますので、メタクエストちゃんを使って、何とか運動不足が解消できないものかと、日々、ゲーム世界に出入りしています。
何か皆さんのお役に立ちそうなことを発見しましたら、またこちらで記事にしますね。